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Gerd Kanz の作品はペインティングと彫刻の境界線に位 置する。レリーフ彫刻と言い切る事もできる。彫刻に彩色をするのは難題である。彩 色は作品上では欠くことのできない部分というよりは、熟慮の末のことと思われる。とりわけ強く濃い色は視覚に立体物を平面 と錯覚させがちである。 Kantz の作品の中でも、濃いブルーの作品は特にその色が作品の形体を平面 化しようと働き、一方、形体は自己主張をしようとして両方ががっちりと組み合っている。最終的に両者は均衡状態に達している。 Kantzは、彼の使用するレジン、紙粘土、粉絵の具などの素材を調合し、彼の望むあらゆる物質、例えば岩肌や地面 、陶磁器など何でもまるで手品師のようにつくり出すことができる。 表面に穴をあけ、刻み目をつけ、まるで今にも剥がれ落ちてしまいそうな危うさ、壊れやすそうな様子の彼の作品は、感情をあからさまに表現してはいないが、非常に魅惑的で、我々にその繊細さと洗練とを味わうための静かな時間を求めるのである。 |
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